読書会についてまじめに書いてみます。
これまでたくさんの読書会に参加してきました。さっきPeatixで、最も盛んに活動した2025年3~6月の読書会参加チケットを数えると30を越えていました。この4か月間、平均週2ペースで読書会に参加していたことになります。1日で3つの読書会を掛け持ちしたこともありました。これまでの読書会参加経験をもとに、世間一般の読書会について語りながら、ゆるぶん読書会の特徴や方向性をお伝えできればと思います。
読書会とはなにか
世の中で開催されている読書会のほとんどが「読んだ本について話をする会」です。
少数ながら「人が集まってその場で本を読む」読書会も存在しますが、その場合も、読む時間の前後に本を紹介し合う時間がありますので、読書会=「読んだ本について話をする会」と定義できると思います。
多くの読書会は、参加者1人1人が話をする持ち時間があり、その後フリートークになります。メインパーソナリティ・司会がいて、挙手制で意見を募っていく会もありますが、稀です。
ゆるぶん読書会は前者です。自分から発信するのが苦手だったり緊張したりする人は、持ち時間をパスしてもOKです。フリートークも無理に発言する必要はありませんので、安心して気軽に参加してください。
読書会の種類
大きく、「紹介型」「課題型」に分けられます。
・紹介型 … それぞれの参加者が自由にお話しする本を選びます。それがどんな本なのか紹介した上で、自分の感想や意見を述べることになります。基本的に「本を紹介」→「他の参加者から質問」→「紹介者が回答」という形になります。
・課題型 … 参加者全員が指定された作品を事前に読んできて、話し合います。基本的にその本を読んでいることが前提になります。あまり見かけませんが、輪読(参加者がその場で課題本を順番に読んでいく)形式もあります。
ゆるぶん読書会は基本的に「課題型」ですが、作家やテーマ指定の回もあるので、そのときは “縛りあり” の「紹介型」ということになります。しっかり読んでくる方もいますが、さらっと目を通したぐらいで参加してもらっても全然OKです。
10/19追記
新しい試みとして、国語の授業風読書会を開催しました。
これは事前準備不要、テキストも不要の読書会です。
興味がある方はこちらのレポートを参考にしてください。
【読書会レポート】芥川龍之介『羅生門』
紹介型読書会に向いている人
・とにかく本を通じて人と交流がしたい
・いろいろな本について人が話しているのを聞いてみたい
・自分が話をしたい本の課題型読書会がない場合
話をする側としては、どんな本でも良いので参加しやすいです。また、小説やビジネス書だけではなく、漫画や画集を紹介される人もいて、いろいろな本を知ることができます。
同じ本を読んでいる人がいない場合が多いので、共感や新しい視点が得られない点がデメリットです。
課題型読書会に向いている人
・本の感想を共有したい、他の人がどう感じたか知りたい
・よくわからなかった部分について知りたい、内容を掘り下げたい
・趣味(読む本のジャンル)が近い人と話がしたい
内容を共有し合えますし、趣味が近い人と出会えるので、もし読んだ本の課題型読書会が開催されるのなら、紹介型よりも断然おすすめです。
とはいえ、読んだ本の課題型読書会になかなか巡り合えないのが難点です。
希望の文学作品があれば読書会開催を検討しますので教えてください。
【リクエストフォームへ】開催してほしい読書会を教えてください!
自分に合った読書会の選び方
たくさんの読書会へ赴いた経験にもとづき、自分に合った読書会を選ぶために「参加費」と「自己啓発/ビジネス書系の読書会」について、知見をまとめました。他の項目よりも主観が入った内容になると思いますが、参考になれば幸いです。
①参加費
どの読書会にも共通しているのは、参加者同士の交流がメインという点です。正直に言って、他の部分に多少違いがあっても、満足度に大きな差は出ないと思います。その本の作者や自分が好きなコメンテーターが参加するような会でないなら、高い参加費を払う必要がないです。
参加費2000円以上の読書会も何度か参加しましたが、それ以下の価格帯の方がクオリティが高いように感じています。参加費2000円超えのビジネス読書会より、主催者自身も参加していっしょに楽しむ読書会の方が雰囲気も良く、参加者の気持ちに寄り添えるからだと思っています。
主催者側として、ほとんどの場合が参加費1000円程度で会場費をペイできますし、基本は他に大きくお金がかかるようなことはありません。結論、高くても1500円くらいまで(ドリンク代込み)の読書会を選ぶのが良いと思います。
②自己啓発/ビジネス書系の読書会について
ネットワークビジネス、マルチ商法の関係者は自己啓発/ビジネス書を好みます。他にも、勧誘・セミナーなどで儲けようとして読書会を主催する人もいるようです。
これ以降の内容は特に主観が入っているかもしれませんが、自己啓発/ビジネス書系の読書会は、「仕事をうまく進めるためには?」や「コスパよく生活するためには?」というような物事の結論を求める内容になる場合が多く、どうしても多様な意見が出にくいです。主体的に情報を収集でき、合理的な思考ができる人にとっては、価値を見出しにくい会になりやすいと思います。
物語やエッセイに対する個々人の考えや感じ方を共有できるところが読書会の醍醐味ではないでしょうか。結論を求める必要はなく、難しいことを言う必要もありません。
ゆるぶんは、特に純文学作品に焦点を当てて読書会を開催します。単純なエンタメにはない奥深さや新しさを備えた作品について他者と言葉を交わすことができ、文学の知識を深めていくことができます。
おわりに
文学の世界は老若男女すべての人に開かれています。
この読書会も同様でありたいです。
みなさんが気持ちよく過ごせる会になるよう努めますので、お気軽に参加ください。